2014年10月29日

ザ・ガマン(中編)

 間が空きましたが、続きをば。


 前編で書いたように、私の幼少期は「ガマン」が普通でした。これが私の両親の躾によるものなのか、はたまた教育の方向性が明後日へ向かっていた父親の勘違いなのかは知りませんが、基本は「ガマン」。

 無論、プレゼントはあっても、誕生日までは開封不可。帰りの電車でワクワクしながら取説を読むという、子供ならだれしも経験したであろう行為も「ガマン」。せいぜい、パッケージの裏面だけを嘗めるように読みまわして車に酔い、青白い顔で帰宅するのが精一杯です。その後もあまりにこれを続けたせいで、唯一の登場人物であるMr.ライトなんて、もはや恋人のようです。

 で、待ちに待った誕生日。平日で学校があろうものなら、授業は全て上の空です。いかに短時間で帰宅し、ゲーム機のスイッチを入れるか? 脳味噌の全てはそれだけに集中するわけです。可能ならば、日付の変わった夜中の0時からスタートしたいのですが、そんなことがバレたらゲーム機自体が消えてなくなる可能性があります。危ない橋を渡るわけにはいきません。

 そんなこんなで始めるゲームの面白いこと面白いこと。最初のマップセレクトのロード時間が長過ぎて皆から不評なのも、発電所が二箇所しかない上に公害が酷すぎて、どこからどう見ても洞穴みたいな家しか建たないのも、何のその。

 途中から横入りしてきた父親が、

父「工場は煤煙が出るから、出来るだけ宅地から遠い方が良い。発電所が見えるとよろしくないので、本田技研のように森の中に隠れていた方が良い。でも、安くて美味いスーパーだけは、徒歩で通える地元にあった方が良い」

と、素晴らしいワガママっぷりを最優先させ、画面の四隅にエリアを拡散させて長大な道路と鉄道で結んだ結果、洞穴の家すら建たずに小首を傾げていても、何のその。とにかく、何をやっても面白く感じるのでした。

 こうなると、「ガマン」には、何か全てを楽しくする作用があるような気さえしてきます。おかげで、楽しむことについては苦労しない少年期でしたが、今思えば、不足しているが故に「存在すること」のありがたみを最大限に感じることの出来る、大変豊かな時期だったのかも知れません。


 この感覚が消え始めたのは、確か20を過ぎて、そこそこ自由に使えるお金が増えてきた頃からだったと思います。元々、CARPE・FIDEMは、私が大学生時代に不登校や引きこもりの子達の家庭教師をしていたところからスタートしていますが、その頃にはこの「SIM CITYの感覚」も薄れてきていました。

 大学生にもなれば、自由に使えるお金も多くなります。子供の頃なら、何年待っても買ってもらえるか分からないゲーム機だって、数日もアルバイトをすれば買えてしまいますし、別に「ガマン」する必要もありません。洋服にもさして苦労しませんし、ちょっとした旅行だって自由自在です。

 成人もすれば、親が口出しする年齢でもなければ、親に判断を仰ぐ年齢でもありません。全て自由。ガマンも不要。ゲームを買っても、箱から出すことすらなく放置。退屈な毎日の始まりです。

 何のかんので、二十を超えてからは、ゲーム自体ほとんどやらなくなってしまいました。もう、ゲームで楽しめる年齢でもなくなってしまったのかも知れませんが、「ガマン」する必要のない生活が、自分自身から活力を奪ってしまったのは間違いなかったと思います。


 と、こんなところで時間切れです。申し訳ありませんが、続きはまた来週。

posted by Ecodog at 00:29| Comment(6) | 徒然なコメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
我慢は身体に毒です
我慢せずやりたい事やるのが人生です
Posted by まなみ at 2014年11月02日 20:28
収入の9割くらいを天引き貯金すればまた「ガマン」する生活がもどってくるんじゃないですかね(名案)。
貯金もできて活力もできて一石二鳥!?
Posted by OKB48 at 2014年11月05日 21:20
収入の9割くらいを天引き貯金すればまた「ガマン」する生活がもどってくるんじゃないですかね(名案)。
貯金もできて活力もできて一石二鳥!?
Posted by OKB48 at 2014年11月05日 21:22
勢い余って連投してしまいました。
スミマセン。
Posted by OKB48 at 2014年11月05日 21:22
>まなみさん

 どうも、大村です。お元気ですか?

>我慢は身体に毒です
>我慢せずやりたい事やるのが人生です

 全くですな。にもかかわらず、ガマンをせんといかん我が人生よ……。
Posted by 大村悠輝 at 2014年11月11日 21:47
>OKB45さん

>勢い余って連投してしまいました。
>スミマセン。

 ドンマイ! 消して欲しければ言って下さいな。
Posted by 大村悠輝 at 2014年11月11日 21:48
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