2012年09月11日

奥多摩旅行の話の前に伏線がありまして

 「重々しい人物」って、いると思いませんか? 重厚感溢れると言いますか、大物の風格と言いますか、兎に角そんな感じです。

 しかし、残念ながら私は「軽々しい人物」のようでして、重さのかけらもありません。普段、授業をしているときも、

T’「おいEco。質問に答えろ」

とか10代の子に言われていますし、教室に置くソファベッドを買い間違えて意気消沈しているときにも、

閣下「君は家具を選ぶセンスが無い。色のセンスもなってない。残念な男だ」

とか言われてます。それはもう、散々な扱いで。

 ただ、「軽々しい」にもおトクなことがあるようで、例えば少し前にこんなことがございました。


 私は数年前から自転車通勤をしており、毎日片道15分程度のチャリンコライフを楽しんでおります。しかし、これはこれで危険なこともありまして、ある日、路地を走っていたところ、黒い軽自動車と衝突しそうになりました。

 自動車はそのまま高速で駆け抜けて行ってしまいましたが、急ブレーキをかけた際、前輪ブレーキをかけ過ぎたものですから、さあ大変。ボリショイサーカスもびっくりな位に自転車ごと倒立状態になりまして。その拍子にチェーンがパチンと外れてしまったのでございます。

 流石にチェーンを外したまま進むわけにもいかないので、路肩までトボトボと歩いて行き、素手でチェーンを直しておりました。無論、チェーンは油でギトギトですから、どちらの手もすこぶる爽快に真っ黒です。

 ただでさえ、冴えない毎日を送っている私。

E「(あ〜あ。これじゃあ、チェーンが直ってもハンドルが握れないなあ……。ツイテないよ、本当に……)」

とか何とか、一人寂しく呟くわけです。


 しかし、「軽々しい人物には軽々しく話しかけやすい」という性質でもあるのでございましょうか。それとも、この世知辛い世の中においても、心豊かな優しさを忘れることのない、慈愛に満ちた人物だったのでございましょうか。

???「お〜い、兄ちゃん!! 手ェ洗ってけや!!!」

 顔を上げると、正面のガソリンスタンドから、おじいさん的容貌の店員さんが手を振っているのでございました。

 勿論飛びつきましたとも。ええ、それはもう、光よりも速く。

E「(ああ、こんな世の中でも、良い人もいるんだなあ……。勝手に買い物してきて、美味しくなかったから『おいEco! これ経費で買い取れよゴルァ!! オラ、領収書じゃクズ!!!』とか、『紅葉見に行ってェ〜、屋形船に乗ってェ〜、美味しいもの食べたいわァ〜。勿論、Ecoさんの財布でね?』とか、涙もチョ切れそうなイヂメばっか遭ってきたのに……。ああ……)」

 神様か天使様のようですよ、ホント。

 近くに相撲部屋があるようで、もしかすると、そこに所属なさっている若手の力士さんかも知れません。おじいさん店員さんの横には、大層恰幅の良い力士店員さんもいらっしゃいます。

おじいさん「何だあ、兄ちゃん。真っ黒じゃねえか! おい! 石鹸出してやれ、石鹸!」

力士「はい!」

E「すんません……。ホンマすんません……」

 別段悪くないのに平謝る私。日頃の扱いの酷さに、卑屈根性が骨身にまで沁みています。

おじいさん「何だ? チェーンが外れたんか?」

E「あ、はい。ぼーっとしてまして……」

おじいさん「がっはっはっは! この石鹸は強力だからな、しっかり取っとけよ! ほら、このタオルで拭いておけ! どうせ、まとめて洗濯するんだ、使っておけ使っておけい!」

E「すんません……。ホンマすんません……」

 本当に親切な爺さまでございました。涙チョチョ切れそうですよ、マジで。


 が、そんな晴れやかな気分でCARPEにやってきたのに、

E「と、言うワケだ。世の中には優しい人達もいるものだと思わぬか、諸君?」

ってな感じで授業中に涙浮かべながらその話をしても、

T’「はっ! 相変わらず馬鹿な男だ、知恵足らずが!」

とか、

ボリビア「まあ、いつものことですよね」

とか、

発明屋「そのまま前方倒立回転飛びとかしたらいいんじゃないですか(笑)」

とか、

お嬢「まあ、君の替えはいくらでもいる。いくらでもな」

とかって反応来ますからね。ありえん。


 まあ、何が言いたいのか良く分かりませんが、兎に角、隅田川沿いのJOMOには、鞭打つような過酷な日々の中、涙と共に生きるチンピラを助けんとする、イケメン爺さんと力士の兄ちゃんがいらっしゃるわけでございます。

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posted by Ecodog at 23:30| Comment(0) | 奥多摩珍道中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月30日

怪しいおっさんに絡まられてるお嬢様方を救った方が格好良いのですが!

 奥多摩へは青梅線で行くのですが、直通が無かったので、取りあえず中央線のホームへ向かいます。ここでは、過去に磁鉄鉱でも食べたのではないかと疑われる位に方向音痴なMお嬢&キャプテンCの二名と合流する予定です。

 しかし、これまでの経緯を考える限り、どうせいつものように巨大な東京駅の中を彷徨っているに違いありません。

E「(あ〜あ。迷子センターから先に行った方がいいかもなあ……)」

とか何とか思いながらエスカレーターを上がってみると、意外や意外。目の前に二人ともいるではありませんか! 汗かきベソかきで二人を探すことになると思っていたのに、何たる僥倖!

仲間1「そうか! 体内の磁鉄鉱を磁石にして現在地を把握したんだ!」

仲間2「既製品の方位磁針を使うんじゃない! 自分自身が磁石なのか!」

老師「何というやつじゃ……」

のように、古い少年誌的な台詞を頭に浮かべながら、笑顔で手を振り近づいていく私。

 ところがどういう訳でしょう。こちらを一瞥するものの、二人とも何らの反応もせず、目を背けるではありませんか。

E「あれ? 別人かな?」

 裸眼視力がコンマn桁にもかかわらず、普段からメガネもコンタクトもしない自分のことです。もしかすると人違いをしているのかも知れません。

E「(そう言えば、親父も昔、妹を駅まで迎えに行って、満面の笑顔で別人に手を振り続けていた記憶がある。ただでさえ普段から恥さらしなのに、親子揃って同じネタで恥をさらすことだけは回避せねば)」

と、コンマn秒で思考。こちらをチラチラと見ている二人を伺いながら、冷静に接近します。冷静に。

E「???」

 ところが、どう見てもMお嬢とキャプテンCです。

E「(何だ、間違ってないじゃないか。二人の方が、僕よりも目が悪いんじゃないのかね?)」

と、コンマn秒で思考。あろうことか、こちらから遠ざかろうとする二人を伺いながら、距離を詰めます。猛烈に。

E「お〜い! こっちこっち!」

嬢「!」

C「!!!」

 急接近する私に、明らかに逃げる姿勢になってから振り向き、驚いた様子を見せる二人。

E「??? どしたの?」

嬢「何だ、Ecoさんか……」

C「びっくりさせないで下さいよ〜」

E「??? びっくり?」

 二人とも、何やら良く分からないことを言っております。

嬢「エスカレーターから怪しいおっさんが上がってきて、しかもこっちに向かって手を振ってくるから、アブナイ人かと思って……」

E「……」

C「大体何ですか、その格好は? アロハに短パンに花火って。チンピラみたいじゃないですか」

E「……」

嬢「まあいいでしょう。そんなことより、さっさと案内したまえよ、君」

C「私達方向音痴ですから、それだけはしっかりして貰わないとね〜」

E「……」

 10代の娘っ子達にいびられて、出かける前から早くも死にたくなってる私。続きます。
posted by Ecodog at 18:25| Comment(0) | 奥多摩珍道中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

微妙に夏休みのタイミングを勘違いしたアロハ男の一人旅

 個人的には、小鳥のさえずりから朝を迎えたいのございますが、案外現実にはそうもいかないようで。奥多摩行きの当日、まず最初に聞こえてきたのは、ジリリリという目覚ましの爆音でした。しかも、まだ朝の5時。

E「堪忍してくれ……。寝たの2時なんやぞ……」

 しかし、今日は旅行ですから、二度寝するわけにもいきません。フラフラの体に鞭を打ち、友人から差し入れに貰ったエスカップを、鉛直方向に加速度gで注ぎ込みます。

 風呂を終え、髪を整えるのもそこそこに外へ出ると、既に半端な蒸し暑さが街道に充満しています。

 ふと携帯を見ると、少年T’からメールが。

T「電車は最後尾?」

 いつもは、「到着遅れます」の意味のCARPE・FIDEM的符牒である「も。」しか送ってこない少年ですが、今日は珍しくまともな文面。

 目の下に大量のクマを溜めながらも、さわやかに、

E「しかり。ブドウ(虫)忘れんなよ」

と、エサ担当のT’に返します。

 それにしても、このT’。本来は共有物資輸送の件では花火担当だったにもかかわらず、いつの間にか楽で軽いモノ担当にすり替わっています。しかも、何故か私が花火担当になってるし。

 まだ7月で通勤客の多い地下鉄の中を、一人場違いにアロハとサンダルに登山用リュック、そして巨大な花火セットを担いで突入する私。20後半にもなって、色々と勘違いした可哀想な青年なのか中年なのか分からない姿でいると、微妙に複雑な気分になります。徒然草風に言えば、「あやしうこそものぐるほしけれ」でしょうか。

E「(全く、T’のやつめ。上手いこと責任回避の手段ばかり上達しおってからに! そんな暇があったら、酸化還元の半反応式の一つや二つしっかり憶えろよ、全く……)」

などと思っているうちに、東京駅に到着。続きます。
posted by Ecodog at 18:13| Comment(0) | 奥多摩珍道中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする